第2回ERATO共生進化機構先端セミナー
講師: 後藤 龍太郎 博士(京都大学 フィールド科学教育研究センター 瀬戸臨海実験所 助教)
演題: 海産無脊椎動物における寄生と共生: 多様性、起源、進化を探る
日時: 2022年2月9日(水)16:00~(参加費無料・要事前登録)
- 講演会ポスターはこちらからダウンロードいただけます。
講演要旨: 寄生や共生といった生物間の相互作用は、しばしば形態・行動・生態の進化を促し、新規形質や極端な表現形を産み出す原動力となっている。海洋には多種多様な寄生・共生者が生息しているが、それらがいかにして、自由生活性の祖先から起源し、多様化を遂げ、奇抜な表現形を獲得するに至ったかはよくわかっていないことが多い。発表者は、他の生物に寄生・共生して暮らす海産無脊椎動物、特に貝類などを主な対象として、その多様性・適応・進化の解明に取り組んできた。本発表では、寄生・共生貝類の研究や、ユムシ類とその共生生物の多様性についての研究など、海産無脊椎動物における寄生・共生の話題を中心に、最近行っている研究について紹介する予定である。
関連文献:
- Goto R, Harrison TA, Ó Foighil D (2018a) Within-host speciation events in yoyo clams, obligate commensals with mantis shrimps, including one that involves a change in microhabitat and a loss of specialized traits. Biological Journal of the Linnean Society 124: 504–517.
- Goto R, Fukumori H, Kano Y, Kato M (2018b) Evolutionary gain of red blood cells in a commensal bivalve (Galeommatoidea) as an adaptation to a hypoxic shrimp burrow. Biological Journal of the Linnean Society 125: 368–376.
- Goto R, Takano T, Eernisse DJ, Kato M, Kano Y (2021) Snails riding mantis shrimps: Ectoparasites evolved from ancestors living as commensals on the host’s burrow wall. Molecular Phylogenetics and Evolution 163: 107122.
関心ある方々の参加を歓迎いたします。
主催: ERATO深津共生進化機構プロジェクト
連絡先: 深津 武馬(生物プロセス研究部門首席研究員、t-fukatsu@aist.go.jp)