環境中の多様な生物機能の産業利用
自然界にはさまざまな生き物が生息しています。動物や植物はもとより、土の中や水の中には、数えきれないほどの目にはみえない微生物が棲んでいます。厳しい自然環境にさらされてきた野生の生き物たちは、ときに私たちの想像を超える多様な能力を有しています。例えば、電気を作る微生物や、炭酸固定を行う微生物、農薬を無毒化してしまう昆虫やその腸内微生物、そして暗闇で青白く光るゴカイやミミズなど、多様な生き物や機能には枚挙にいとまがありません。これら生物機能には、喫緊の社会課題である環境問題や食糧問題、健康長寿社会の実現に資する多くの新規機能が含まれています。しかし、モデル生物と言われる一部の生き物を除いて、野外の生き物たちの機能を探索し、その遺伝子基盤や化学物質を特定することは、現在においても多くの技術的困難が伴います。
私たちのミッションは、これら埋もれた生物機能を掘り起こし、高いレベルで解析し、工学的アプローチによって利用可能な形に改良し、産業に役立てることにあります。そのためには、
- 様々な生物機能を独自の視点で探索する技術、
- 生物機能のメカニズムや遺伝的基盤を詳細に理解する技術、そして、
- それらの情報をもとに目的とする生物機能を自在に操る技術の開発を、
一体感を持って進めて行く必要があります。私たちは、これら技術開発を緊密かつ一気通貫で推進することで、バイオエコノミー社会の実現に貢献します。
トピックス
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2024-03-05
- 研究成果・プレスリリース
昆虫が腸内微生物で病気に強くなる仕組みを解明- 環境生物機能開発研究グループ
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2024-02-14
- 研究成果・プレスリリース
世界初!高速化学合成した糖によるバイオものづくり -食料と競合しない持続可能な原料糖の調達を可能に-- 環境生物機能開発研究グループ
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2023-11-08
- 研究成果・プレスリリース
”生物が食べられる糖”を中性条件下で化学合成する触媒プロセスの構築に世界で初めて成功-原料・燃料・食料の高速バイオ生産に繋がる新触媒技術-- 環境生物機能開発研究グループ
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2023-07-18
- 受賞
第7回バイオインダストリー大賞 特別賞を、田村具博 執行役員・生命工学領域長、酒瀬川信一 総括研究主幹、安武義晃 主任研究員(応用分子微生物学研究グループ)が受賞。奨励賞を、加藤創一郎 上級主任研究員(環境生物機能開発研究グループ)が受賞。- 応用分子微生物学研究グループ
- 環境生物機能開発研究グループ