第26回ERATO共生進化機構先端セミナー
演題: 「光合成ウミウシ」嚢舌類における盗葉緑体現象と大規模再生
講演: 遊佐 陽一 博士(奈良女子大学 理学部 教授)
日時: 2023年6月30日(金)16:00~
- 講演会ポスターはこちらからダウンロードいただけます。
- 参加希望者は以下より登録をお願い致します。参加に必要な情報をお知らせいたします。
参加登録:https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=yP6nGC9lm0CDaSctnOgGIAZ0AUJReXxOnlfJYlsFCHFUOU9JR0pQNDYzSUhNTUZGUjhMNE5JVFBDVS4u
講演要旨: 嚢舌類(のうぜつるい)はウミウシの仲間で、巨大細胞をもつ餌の海藻から細胞内容物を吸い取り、葉緑体だけを消化せずに自分の細胞の中で数日から数か月維持して光合成に利用する。これは盗葉緑体現象とよばれ、扁形動物の2種以外には、動物では嚢舌類だけがもっている特性である。今回のセミナーでは、まず盗葉緑体の意義や生態学的な波及効果についての研究を紹介する。盗んだ葉緑体の効果は、その個体自身だけでなく、世代や種を超えて及ぶことが明らかになった。また最近、嚢舌類の2種で、動物界で今まで知られていなかった完全な心臓を含む体全体の自切と再生が発見された。そこで、この大規模再生の実態や考えられる意義について述べ、その後の研究の進展について紹介する。さらに、嚢舌類を動物による光合成や再生のモデル生物として利用するために行っている、卵から成体までの完全飼育系の確立についても紹介する。
関心ある方々の参加を歓迎いたします。
主催: ERATO深津共生進化機構プロジェクト
連絡先: 深津 武馬(生物プロセス研究部門首席研究員、t-fukatsu@aist.go.jp)