麹菌Aspergillus oryzaeは、日本酒・味噌・醤油などの製造に、日本古来使われてきました。真核微生物の中の糸状菌、いわゆるカビに分類されます。酵素の生産能力が本来高く、しかもヒトに有害な物質を作らずに安全であるといった、良い特徴を有しております。また、細胞小器官や遺伝子スプライシング機構が存在することから、近年は食品製造以外に、植物や動物など多種多様な生物に由来した遺伝子の異種発現宿主としても注目されております。このような優れた性質のある麹菌を用いて、医薬品などへの利用が期待される二次代謝産物や脂質などの有用物質を効率的に生産させる技術開発に挑戦しています。