害虫の腸内共生微生物:その機能解析と新規害虫防除技術の開発

テーマ

多くの動植物はその体内に共生微生物を持ち、緊密な相互作用を行っていることが知られています。近年ヒトマイクロバイオームが注目されていますが、ヒト以外の動物においても腸内微生物叢の多様性と機能解明が急速に進められています。昆虫は100万種以上が報告される陸上最大の生物群ですが、同時に多様な腸内微生物の宝庫です。中でも害虫の多くは発達した腸内共生系を持つことが知られています。これまでの私たちの研究により、これら害虫の腸内微生物は、木質の分解や必須栄養素の供給、代謝老廃物のリサイクリングはもとより、植物が持つ有毒物質の分解、さらには殺虫剤の解毒において重要な役割を果たすことが次々に明らかとなってきました。当グループではこれら害虫体内で重要な役割を果たす腸内微生物に焦点を当て、その多様性と機能を解析するとともに、それら微生物がみせる運動性にも着目し、新規害虫防除法の研究開発に取り組んでいます。

左図: ホソヘリカメムシ消化管に発達する袋状組織(共生器官)の断面図.
腸内共生細菌は緑色で示されている
右図:上段は多くの細菌に見られるべん毛遊泳モード.
下段は最近見つかったべん毛ドリル運動モード.