母から子への共生細菌の伝達に必須な宿主タンパク質を発見

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生物プロセス研究部門生物共生進化機構研究グループ 古賀 隆一 研究グループ長、棚橋 薫彦 元産総研特別研究員(現台湾師範大学研究員)、森山 実 主任研究員、深津 武馬 首席研究員らは、マルカメムシの母虫が産生する共生細菌カプセルの内容物を分析し、単一の新規な分泌タンパク質が大部分を占めることを発見した。このタンパク質が宿主体外で脆弱な共生細菌を保護することにより、共生細菌の次世代への伝達が可能になっていることを解明した。また、メス成虫の寿命がカプセル産生により短縮することがわかった。すなわち、母虫は「命を削って」子のために共生細菌カプセルを作っていることになる。詳細は、産総研公式ページの研究成果をご覧ください。

この成果は、2021年6月22日(米国東部時間)に米国の学術誌「Proceedings of the National Academy of Sciences USA」(米国科学アカデミー紀要)にオンライン掲載されました。