公開セミナー「形が進化するとはどういうことか?」をオンサイト開催(Zoom同時配信)(1月10日)

トピック
2023-12-19

【第31回ERATO共生進化機構先端セミナー】
講師:倉谷 滋 博士(理化学研究所 主任研究員)
演題:形が進化するとはどういうことか?
日時:2024年1月10日(水)16:00~17:30
場所:産業技術総合研究所 つくば中央 6-10棟 第6会議室 (Zoom同時配信)
    https://www.aist.go.jp/aist_j/guidemap/tsukuba/center/tsukuba_map_c.html
  ・講演会ポスターはこちらからダウンロードいただけます。
  ・参加希望者は以下より登録ください。参加に必要な情報をお知らせいたします。
   参加登録: https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=yP6nGC9lm0CDaSctnOgGIAZ0AUJReXxOnlfJYlsFCHFUNkkzMFcwTFJEMVdLN0M0NldWSUVGUFRRRS4u

講演要旨: 反復説とは、生物の発生プロセスが進化系統樹と沿うような形で分岐・発展してゆく、かなり理想化された進化のモデルをいい、これを唱えたのが19世紀ドイツの2人の生物学者、フォン=ベーアとヘッケルであった。このようにして獲得された反復的な発生をパリンゲネジスと呼ぶが、多くの場合、発生プロセスはさまざまな変形を受け、進化過程をそのままの形で繰り返さないことの方が多い。このように擾乱・変形を受けた発生プロセスをカエノゲネジスと呼び、その要因には大きく2つの様式、ヘテロクロニー(異時性)とヘテロトピー(異所性)があり得る。ヘテロクロニーの一種、アルシャラクシスは発生過程の初期が変形することによって進化的新機軸の獲得が可能になるという学説であり、ロシアの発生学者、ゼヴェルツォッフによって提唱された。しかし、アルシャラクシスがパリンジェネティックなプロセスの変形によって可能になるという、二次アルシャラクシスの現象も仮定できる。そのプロセスを説明するのが遺伝学者のシュマルハウゼンとウォディントンによる安定化選択、もしくは遺伝的同化である。比較形態学が分子遺伝学と結合して進化発生学が可能になったのであれば、進化発生学の次の段階の発展は、本格的な遺伝学の取り込みを必要とするだろうと予想される。このトークでは、演者がこれまでのキャリアで遭遇した様々な進化発生現象を盛り込みながら、進化という時間の中で、発生プログラムがどのように変化していったのかを考察する。

 関心ある方々の参加を歓迎いたします

問い合わせ先:M-ERATO-International-Seminar-ml@aist.go.jp

主催:ERATO深津共生進化機構プロジェクト https://www.jst.go.jp/erato/fukatsu/

連絡先:深津武馬(生物プロセス研究部門首席研究員, t-fukatsu@aist.go.jp)