動物と微生物の相互作用は、健康や疾病など宿主の生理機能に大きな影響を与え、社会的にも産業的にも注目されています。また、共生関係にある動物と微生物は、お互いの適応度を高めるよう相互作用しながら共進化することが知られており、学術的なテーマとしても重要です。
本グループでは、哺乳類や昆虫をモデルとし、宿主の表現系に大きく影響する未知微生物の特定と機能解明を進めるとともに、宿主と微生物の相互作用や共生関係によって生じる様々な生理現象やシグナル伝達、代謝ネットワークを明らかにし、宿主の健康維持や体内環境の改善に資する研究を進めています。また、社会性昆虫を用いて宿主と腸内細菌の共進化や進化生態ダイナミクスの理解を深めることで、微生物が宿主社会全体に及ぼす影響や、様々な宿主背景における微生物叢の構成原理の解明を目指しています。