高度環境ゲノム情報解析技術の開発と利用

テーマ

生命の秘めたる能力を理解せずして地球の物質循環制御、有用物質生産、医療等社会の持続性に必須な革新的な技術の開発は見込めません。環境、社会、医療問題の顕在化が驚異的に加速化している時代に対応するためには、現在の生物学・生物技術を大きく揺るがす程新しく応用性の高い知識を素早くかつ確実に得る必要があります。一つの近道は、生物の知られざる潜在能力と歴史の全てを記録している未知遺伝子の解読化にあると考えます。本グループでは、精密な環境ゲノム解析(メタゲノム、メタトランスクリプトーム等)と革新的培養技術を融合することで、遺伝子・ゲノムから新規代謝機能の解明や生物史の解読を目指しています。

 地球上に存在する微生物の多くは(90%以上)実態が掴めておらず、その機能は未知数です。さらに、様々な微生物や遺伝子の研究から4億以上の遺伝子が発見されていますが、機能・能力が明らかになっているのはその4500分の1以下です。本グループでは、環境ゲノム解析と生化学・熱力学・進化学・機械学習をベースにした高度な遺伝子解析を行い、新規代謝機能や生命史の予測・再構築を行なっています。培養のスペシャリストとの相乗的な連携を通し、培養化できた微生物に秘められた未開拓能力の調査や、遺伝子情報に基づいた未知微生物の培養化でも成果をあげています。