HIV逆転写酵素を用いてHBVの薬剤耐性機構に迫る

安武 義晃 ウェブサイト

HIV-1 reverse transcriptase 3MB chimera (Q151M/F115Y/Y116F) with F160M/M184V

主要な抗HBV核酸アナログであるエンテカビルやラミブジンに対する薬剤耐性変異が報告されており、薬剤耐性機構の理解が求められています。本研究では、抗HBV薬に感受性を示すHBV型の活性ポケットを保持したHIV RTキメラ(3MB)を作製し、そのキメラにHBVにおいて報告されている薬剤耐性変異(M184V/F160M; M204V/L180M in HBV RT)を導入することで、薬剤耐性を再現することに成功しました。この薬剤耐性キメラの高分解能立体構造を解析したところ、変異によりポケットの構造が変化し、薬剤の結合が阻害される仕組みを明らかになりました。これまで野生型HIV RTの構造を利用したモデリング研究において、M184Vと薬剤との立体障害が予測されていましたが、今回の構造からは、F160Mの変異に起因するポケットの膨らみが観察され、その影響でプライマ3′-end OHとも立体障害が生じる様子が観察されました。

関連論文
  • Yasutake Y, Hattori SI, Tamura N, Matsuda K, Kohgo S, Maeda K & Mitsuya H. (2020)  Structural features in common of HBV and HIV-1 resistance against chirally-distinct nucleoside analogues entecavir and lamivudine. Sci. Rep., 10, 3021. [PubMed] [Scientific Reports] [PDB codes: 6kdj6kdk6kdm6kdn & 6kdo]
  • Nakajima S, Watashi K, Kato T, Muramatsu M, Wakita T, Tamura N, Hattori SI, Maeda K, Mitsuya H, Yasutake Y & Toyoda T. (2021)  Biochemical and structural properties of entecavir-resistant hepatitis B virus polymerase with L180M/M204V mutations. J. Virol., 95(16), e02401-20. [PubMed] [ASM] [PDB codes: 7dbm & 7dbn]