HIV-1 reverse transcriptase with Q151M/F115Y/Y116F (3MB) complexed with Lamivudine-triphosphate (3TC-TP)

主要な抗HBV薬であるエンテカビル（ETV（D体））とラミブジン（3TC（L体））は互いに光学異性体の関係にある核酸アナログであり、これまでL-核酸アナログが結合したRTの結晶構造は報告されていませんでした。本研究では、HBV型HIV-1 RT 3MBキメラ（Q151M/Y115F/F116Y）に3TC-TPが結合した状態の結晶解析を行い、L-核酸アナログの活性ポケットへの結合様式を初めて明らかにしました。解析の結果、ETV/3TCはポケットにて大きく異なったコンフォメーションをとる一方で、ともにポケット底部のメチオニン（Met184）側鎖を押し込み、移動させるように結合する様子が観察されました。このような特殊な結合様式は、なぜM184Vが両剤に対してウイルスの感受性が大きく低下するのかを合理的に説明します。