公開セミナー「カブトムシの生態の地理的変異」をオンライン開催(4月15日)

トピック
2024-03-21

【第34回ERATO共生進化機構先端セミナー】
講師:小島 渉 博士(山口大学 大学院創成科学研究科 講師)
演題:カブトムシの生態の地理的変異
日時:2024年4月15日(月)16:00~, Online Zoom Meeting

・講演会ポスターはこちらからダウンロードいただけます。
・参加希望者は以下より登録ください。参加に必要な情報をお知らせいたします。
参加登録:https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=yP6nGC9lm0CDaSctnOgGIBgCR4NDURpHsNCN0TI-9-dUMFMxT1pDU0laTE0wMjlTM05GQlFEODc3TS4u

講演要旨: カブトムシTrypoxylus dichotomusは東アジアに広く分布するが、その生態は地域によって異なる。私たちは、カブトムシの生態の地理的な変異について研究を進めてきた。たとえば、成虫の体やオスの角のサイズが、一部の島で小型化することを発見した。また、共通の環境で複数の個体群を飼育するなかで、卵サイズ、幼虫の成長速度、幼虫の免疫能、成虫の寿命、配偶行動など、多くの形質が遺伝的な緯度クラインを持つことも明らかになった。特に成虫の寿命の差は顕著であり、南日本の個体群は東日本の個体群に比べて3倍も長寿であることが分かった。羽化時に成虫が蓄える脂肪の量にも、個体群間で大きな違いが存在し、寿命の差を生み出す至近的な要因の一つであると考えられる。野外でのデータをもとに、これらの地理的変異をもたらす生態学的な要因についても議論したい。

関心ある方々の参加を歓迎いたします。

問い合わせ先:M-ERATO-International-Seminar-ml@aist.go.jp
主催:ERATO深津共生進化機構プロジェクト https://www.jst.go.jp/erato/fukatsu/
連絡先:深津武馬(生物プロセス研究部門首席研究員, t-fukatsu@aist.go.jp)