公開セミナー「オオホシカメムシの環境獲得型細胞内共生系」をオンサイト開催(Zoom同時配信)(10月24日)

トピック
2024-10-15

【第39回ERATO共生進化機構先端セミナー】

講師:竹下 和貴 博士(秋田県立大学 生物資源科学部 応用生物科学科 助教)
日時:2024年10月24日(木)16:00~17:30

場所:産業技術総合研究所 つくば中央6群 6-11棟 第4・5会議室

https://www.aist.go.jp/aist_j/guidemap/tsukuba/center/tsukuba_map_c.html

 

講演会ポスターはこちらからダウンロードいただけます。

 

参加希望者は以下より登録ください。参加に必要な情報をお知らせいたします。

参加登録:

https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=yP6nGC9lm0CDaSctnOgGIBgCR4NDURpHsNCN0TI-9-dUOEtSTURVVEUyWTRGQUtMWkNDVzI5OUZHTC4u

 

講演要旨: 多くの昆虫が自身の細胞質中に共生細菌を保持し緊密な相互作用を行っている。しかし、ほとんどの細胞内共生細菌は培養できないことから、昆虫細胞内共生の分子基盤や進化プロセスに関しては不明な点が多い。植食性カメムシの中でも一部の系統に属するカメムシは、毎世代環境中からバークホルデリア科の細菌を獲得し、消化管後端部に発達させた袋状組織(盲嚢)の内腔に保持する「環境獲得型の腸内(細胞外)共生系」を成立させている。我々は、柑橘類の害虫であるオオホシカメムシが、環境中から獲得した共生細菌を盲嚢内腔だけでなくその上皮細胞内にも共生させることを発見した(環境獲得型の細胞内共生系)。オオホシカメムシの細胞内共生細菌は単離培養および遺伝子組換えが可能であることから、本共生系は昆虫細胞内共生の分子基盤や進化プロセスを解明する上での最適な研究対象といえる。さらに我々は、オオホシカメムシの細胞内共生細菌に近縁なマメ科植物根粒菌が、オオホシカメムシの細胞内にも共生できることを見いだした。
演者は、本共生系を用いて昆虫細胞内共生の分子基盤解明を目指している。本講演では、オオホシカメムシ細胞内共生系の概要および研究の進捗について紹介する。加えて、昆虫共生系と植物根粒共生系との接点を探る最近の取り組みについても紹介したい。

 

関心ある方々の参加を歓迎いたします。

問い合わせ先:M-ERATO-International-Seminar-ml@aist.go.jp

主催:ERATO深津共生進化機構プロジェクト

https://www.jst.go.jp/erato/fukatsu/

連絡先:深津武馬(生物プロセス研究部門首席研究員, t-fukatsu@aist.go.jp)