公開セミナー「グリーンヒドラから動物―藻類共生システムの多様性と普遍性を考える」をオンライン開催(9月22日)

トピック
2023-08-14

第28回ERATO共生進化機構先端セミナー

演題:グリーンヒドラから動物―藻類共生システムの多様性と普遍性を考える
講演:濱田麻友子 博士 (岡山大学臨海実験所 准教授)
日時:2023年9月22日(金)16:00~, Online Zoom Meeting
  ・講演会ポスターはこちらからダウンロードいただけます。
  ・参加希望者は以下より登録をお願い致します。参加に必要な情報をお知らせいたします。
   参加登録:https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=yP6nGC9lm0CDaSctnOgGIAZ0AUJReXxOnlfJYlsFCHFUNEdCWFNVSlFYRDhLTEw0RlNIMEJVWVJINy4u

講演要旨: 藻類との共生は様々な生物で見られる普遍的な現象である。特に固着性や浮遊性で運動能力の低い刺胞動物では多くの種で観察され、これら動物の生態的繁栄に寄与してきた。サンゴやイソギンチャクなどの海産性の刺胞動物では褐虫藻との共生がよく知られているが、淡水性刺胞動物であるグリーンヒドラはある種の緑藻クロレラと共生している。クロレラ科には多くの共生性の種が知られており、ヒドラの他にもカイメンや原生動物のタイヨウチュウやゾウリムシ等との共生が見られ、これらの共生性は各種で独立に出現したと考えられている。グリーンヒドラの共生クロレラは次世代に垂直伝播で伝わり、ヒドラの体外では生存できない。このことから、グリーンヒドラとその共生クロレラ独自の共進化が考えられる。
 近年のゲノム解析技術の進歩によって、この共生関係の実態が遺伝子の構成や発現などから明らかになってきた。グリーンヒドラ共生系では、ホストからの窒素性アミノ酸の供給と共生クロレラからの光合成産物のやり取りが協調的に調節されていることが明らかになった。また、共生クロレラゲノムにはその関係が反映されており、無機窒素源である硝酸同化システムの退化とアミノ酸トランスポーター遺伝子の重複が見られ、栄養のやりとりにおいて高度に最適化された共生系であると言える。一方、同じ刺胞動物の藻類共生系でありながらグリーンヒドラとサンゴでは遺伝子構成の特徴が異なっており、それぞれの生息環境への適応が反映されていると考えられる。
 本セミナーではグリーンヒドラやサンゴとその共生藻のゲノムから明らかになった藻類共生システムの普遍性と多様性について議論する。また、左右相称動物の藻類共生系として、瀬戸内海に生息する無腸動物ナイカイムチョウウズムシと緑藻の共生についても紹介したい。

 関心ある方々の参加を歓迎いたします。
主催:ERATO深津共生進化機構プロジェクト
連絡先:深津武馬(生物プロセス研究部門首席研究員, t-fukatsu@aist.go.jp)